【赤旗】「今からでも五輪中止の決断を」志位委員長が主張

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebook にシェア

今からでも五輪中止の決断を

感染悪化、「バブル」破綻、世界への拡大――

志位委員長が主張

 日本共産党の志位和夫委員長は15日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う4回目の緊急事態宣言発令後も状況は悪化しているとして、感染状況の悪化、「バブル(泡)方式」の破綻、世界に感染拡大をもたらす危険の3点を挙げ、「今からでも五輪の中止を決断すべきだ」と強く主張しました。


無法の根本に焦燥感

志位氏は、酒類提供を続ける飲食店に政府が金融機関や酒類販売事業者を通じて圧力をかける方針を決めていた事態に言及し、「撤回ですむ問題ではない。特措法にも根拠がなく、独禁法も憲法22条も無視する暴挙であり、許されるものではない」と批判し、責任者の西村康稔経済再生担当相の辞任を強く求めた上で、「西村大臣一人の問題でなく、内閣全体の問題だ」と指摘。関係閣僚会議で事実上の了承を与えた菅義偉首相の責任は重大だとして、「国会に出席し事実経過と責任の所在を明らかにすべきだ」と要求しました。

 そのうえで、「政府が無法な強権に走った根本には、感染拡大を抑止できないことへの焦燥感があった」と指摘。感染拡大が抑えられない最大の原因は五輪開催への固執だとして、「一方で国民に“自粛”を求めながら、他方では(五輪という)世界最大のお祭りをやることほど、はなはだしい矛盾はない。これでは国民の感染抑止への協力を得ることはできない。現に緊急事態宣言発令後も人流は減っていない」と批判しました。

五輪はいよいよ深刻な矛盾

 志位氏は、五輪開催がいよいよ深刻な矛盾に陥っていることを3点にわたって指摘しました。

 第1は、感染状況が極めて悪くなっていることです。志位氏は、東京都内の14日の新規感染者が1149人に達し、厚生労働省の専門家組織・「アドバイザリーボード」も同日、デルタ株への置き換わりなどが進み、「感染拡大の速度はさらに加速する」との資料を出したことを指摘。「感染拡大が加速する途上での五輪開催は、国民の命を文字通りギャンブルにかける無責任のきわみだ。絶対に許されない」と強調しました。

 第2は、五輪関係者からの感染を防止する「バブル(泡)方式」の破綻です。大会関係者が外出する際、帯同するはずの大会組織委員会の監督者が付き添っていないなど「プレーブック」が守られていないこと、大会関係者を輸送するバスやタクシーの運転手が感染から守られておらず、強い批判があがっていることなどをあげ、「すでにバブルは破綻している」と強調しました。

 第3は、五輪が世界に感染拡大をもたらす危険性です。志位氏は、世界看護師連盟が9日に菅首相と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長あてに送付した五輪の中止・延期を強く求める書簡の記述に言及しました。さらに、ワクチンの全予防接種の85%が高・中所得国で実施され、低所得国は0・3%にすぎない「ワクチンの格差」が世界の大問題になっており、「もし五輪が開催されれば、必然的に低所得国で、大会帰りの人を起因とした死亡・入院・感染の数が突出して多くなり、ただでさえ大きい富裕国と低所得国の間の格差をさらに悪化させる危険性がある」と指摘されていると強調。「東京五輪が震源地となって世界中にウイルスを広げる危険がある。とくにその被害を深刻な形で被るのは発展途上国だ」と警告しました。

 志位氏は「この3点を考慮しても、今からでもオリンピックの中止を決断すべきだ。それを強く求めたい」と主張しました。

(2021年7月16日「しんぶん赤旗」)