四郷480号沿地域振興交流施設の指定管理、議案上程

四郷480号沿地域振興交流施設の指定管理、議案上程

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経過及び事業と収支の計画ずさんすぎるその内容

見過ごせない問題山積

6月6日、6月会議が開かれ、国道480号沿いの地域振興交流施設(以下物産販売所)について、セイコーグループに指定管理を行う議案が上程され、提案説明が行われました。

物産販売所は、四郷広口の480号に沿って現在建設中の複合施設で、物産販売とレストラン、パン工房、加工体験施設、イベント広場を併せもった施設です。この施設は、「本町の農林水産物及び地域特産品の販売及び紹介、加工体験、地域食材の提供並びに地域情報の提供を行い、都市と農村の交流を促進するとともに、農林水産物の6次化を推進し、産業の振興及び地域の活性化を図ることを目的として設置」(指定管理募集要綱)されるものです。

この議案には、見過ごすことのできない問題があります。

プレゼンの後事務がストップ

一つは、指定管理の候補決定に至る経過が異常だということです。

指定管理の募集は平成27年5月21日〜7月9日まで行われ、これに応募したのは「セイコーグループ」(代表:今田政行氏)一社でした。職員による選定委員会の第一次審査が7月9日〜7月15日まで行われ、16日には選定委員会による第1回プレゼンテーションが実施されています。

しかし、このプレゼンテーション以降事務が止まり、9月会議に議案を上程できませんでした。

事務は、平成28年2月28日まで7か月間止まりました。

今年の3月9日に第2回選定委員会が開かれ、3月14日にようやく指定管理候補として決定しています。3月14日の候補者決定後も事務が進められず、町がセイコーグループに連絡したのは4月以降でした。

ずさんな事業計画 

問題の二つ目は、事業計画書のずさんさにあります。

今回の指定管理は、物産販売とパン工房、レストラン、加工体験施設という大がかりなものです。町は、それぞれの店舗を個別に業務委託するという方法を採用せず一括管理させたので、指定管理者には高い経営能力が問われました。

しかし、参加したのは小規模な経営体であるセイコーグループだけでした。この会社は、食料品製造業や各種商品小売業、飲食店の経営などを事業としていますが、平成26年の総収入は5669万3124円、総支出は5597万17円で利益は72万3107円という状況でした。

セイコーグループは、パン工房とレストランを他の業者に再委託するようですが、パン工房と加工体験施設については事業計画がなく、公募の要件を満たしていません。

おかしな収支計画

問題の三つ目は、収支計画書にあります。

収支計画書には、物産販売とパン工房、レストラン、加工体験施設の収支計画が記載されています。加工体験施設では、初年度259万2000円の事業収入があり、平成33年にはそれが432万円になるとしています。事業計画がないのに収支計画があるということです。架空の計画の可能性さえあります。

収支計画書には町への家賃に当たる「使用料」について書いています。使用料は、平成28年度〜平成31年度の4年間は年360万円、32年〜33年は年420万円となっています。360万円については、委託するパン工房とレストランが180万円ずつ負担します。セイコーグループは、物産販売の家賃は小さくし、再委託するお店には大きな負担をかけようとしています。

町の事務の遅れによってプレオープンが28年10月、グランドオープンが29年4月となりました。オープンが6か月ずれたのに、収支計画は見直されていません。また家賃は役場の計算違いがあり、360万円から最終435万円に変更されましたが、この訂正もなされていません。

公募のやり直しを

このようなずさんな計画の議案を可決したら議会も無責任だという批判を受けるのではないでしょうか。480号沿いの物産販売所は、井本町長の最大の公約の一つでした。かつらぎ町の命運のかかった事業をこんなずさんな形でスタートさせてはなりません。日本共産党町議団は、公募からやり直すことを求め、議案審議にのぞみます。

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