日本共産党第5回中央委員会総会 志位委員長の幹部会報告の録画と結語

日本共産党第5回中央委員会総会 志位委員長の幹部会報告の録画と結語

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日本共産党は10月13日(土)・14日(日)の2日間、第5回中央委員会総会を開きました。
第5回中央委員会総会(5中総)は、現在直面する内外の政治情勢の特徴と来年4月の統一地方選と夏の参院選の意義、そして選挙戦での政治論戦など統一地方選と参院選での勝利と躍進をめざす日本共産党の方針を明らかにしました。

5中総志位委員長の幹部会報告中継録画 ➡ 5中総志位委員長の幹部会報告

10月14日の5中総志位和夫委員長の結語(全文)は次の通りです。

第5回中央委員会総会 志位委員長の結語

 2018年10月14日

討論でも、全国からの感想でも、幹部会報告はきわめて積極的に受けとめられた

みなさん、2日間の会議、おつかれさまでした。私は、幹部会を代表して、討論の結語を行います。
2日間で、56人の同志が発言しました。たいへん明るく、充実した討論となったと思います。全国ではリアルタイムの視聴が1万8045人、730人から感想文が寄せられています。「沖縄県知事選の勝利、感動がまるで地響きのように伝わってきた」、「ギアチェンジ! 『統一地方選と参院選を沖縄のようにたたかおう!』を合言葉に勇躍したい!」など、心強い反応がたくさん返ってきています。討論でも、全国からの感想でも、幹部会報告はきわめて積極的に受けとめられています。
討論では、参院選の比例、選挙区予定候補のそれぞれから、先頭に立って奮闘する素晴らしい決意表明が行われました。参院選1人区で自らが「野党統一候補」になる構えでたたかうという堂々たる発言も行われました。
討論では、県・府議会議員の同志10人から発言がありました。これだけ地方議員の中央役員からまとまって発言があったのは、これまでにないことです。どれも意気高いものでした。ある県議の同志は、「定数が3から2に減らされたが、これをピンチととらえるか、チャンスととらえるか。沖縄の勝利にあらわれた情勢の変化をよくつかみ、2人区になったことで新たに生まれる条件と可能性をくみつくすならば、議席を守ることは十分可能だ」と、“定数減なにするものぞ”という気概ある発言をしました。地方議員のみなさんの発言は、全体として、住民の願いによりそって活動し、政治を動かす日本共産党地方議員団の値打ちを討論を通じて生きた形で示したと思います。
沖縄への断固たる連帯――日本共産党の歴史と綱領を土台にしたもの
沖縄県知事選挙での歴史的勝利に、討論の全体を通じて喜びと確信がはじけました。多くの同志が、沖縄の勝利によって、「安倍政権はなぜ倒せないか」というモヤモヤが一掃され、「沖縄のようにたたかえば勝てる」という確信に変わったと発言しました。
沖縄の勝利は、一地方自治体の勝利にとどまらず、日本の政治情勢全体の潮目の変化となる歴史的勝利であります。この勝利があったからこそ、私たちは「安倍政治の大破たん」という告発を、この総会でもできたのであります。
沖縄・鶴渕県委員長代理は、全国の党組織による沖縄への支援活動に、感謝をのべるとともに、その根本には綱領の立場があると語りましたが、私もその通りだと思います。
日本共産党の全国の党組織は、沖縄のたたかいを、文字通り自らのたたかいとして、党をあげて心一つにたたかいました。討論では、「自分たちの選挙以上にテレデータでの支持拡大を必死になって行った」という経験も語られましたが、まさに自らの選挙としてこの歴史的政治戦をたたかったのであります。
私が、強調したいのは、日本共産党の沖縄のたたかいへの断固たる連帯の立場は、わが党の歴史、綱領を土台にしたものだということです。
歴史という点では、戦後、沖縄では島ぐるみの基地闘争が連綿と続いてきましたが、日本共産党は一貫して連帯の闘争を続けてきました。1950年代の島ぐるみの土地闘争、60年代の祖国復帰闘争、95年の少女暴行事件をきっかけにした「基地のない沖縄」をめざす島ぐるみの闘争、この間の「建白書」実現をめざす「オール沖縄」のたたかい、そのすべてにおいて、日本共産党は、沖縄の党組織が沖縄人民党だった時代から、戦後一貫して、沖縄の問題を日本全体の問題として、断固たる連帯のたたかいを行ってきました。
さらに綱領という点では、わが党は、綱領で、沖縄問題について次のように明記しています。
「わが国には、戦争直後の全面占領の時期につくられたアメリカ軍事基地の大きな部分が、半世紀を経ていまだに全国に配備され続けている。なかでも、敗戦直後に日本本土から切り離されて米軍の占領下におかれ、サンフランシスコ平和条約でも占領支配の継続が規定された沖縄は、アジア最大の軍事基地とされている。沖縄県民を先頭にした国民的なたたかいのなかで、一九七二年、施政権返還がかちとられたが、米軍基地の実態は基本的に変わらず、沖縄県民は、米軍基地のただなかでの生活を余儀なくされている」
このように沖縄問題を、対米従属の根本問題として位置づけ、これを打破する改革を、わが党は綱領的課題としているのであります。
こういう歴史と綱領をもつ党だからこそ、「オール沖縄」の勝利のために、党をあげて連帯するたたかいを展開することができたし、その勝利に貢献することができた。そのことを全党の誇りにして、引き続き沖縄のたたかいへの連帯と支援を強める決意を固めあおうではありませんか。

「ギアチェンジ」――統一地方選まで5カ月、参院選まで8カ月にふさわしい活動に

討論では、「ギアチェンジ」が一つの合言葉となりました。
統一地方選挙まで5カ月、参議院選挙まで8カ月という時点にたって、この二つの全国選挙の連続勝利にむけて、私たちの活動の「ギアチェンジ」を行おうということが、この総会の最大の主題であります。
「ギアチェンジ」という場合、それは二重に求められています。
第一の「ギアチェンジ」は、党勢拡大に力を集中する「特別月間」から、選挙勝利に向けて全有権者規模の宣伝・対話をはじめ独自の諸課題をやりぬく、そのために特別の臨戦態勢をとる、そうした本格的な選挙態勢に移行するということです。党勢拡大は、全有権者規模での働きかけを行い、日本共産党の元気いっぱいの勢いをしめし、風を大いに吹かせるなかで、それと一体に前進・飛躍させる。いわば「選挙型の党勢拡大」をやろうということが、幹部会報告の提起であります。
第二の「ギアチェンジ」は、連続選挙にのぞむ基本的構えにかかわる問題です。3月の都道府県委員長会議では、「参院選、とくに比例代表での躍進を前面に、統一地方選挙勝利に必要な課題をやりぬく」と提起しました。これは適切な提起だったと考えますが、統一地方選まで5カ月、参院選まで8カ月という時点にたって、ここでも「ギアチェンジ」が必要だというのが、幹部会報告の提起であります。
報告でのべたように、第一に、「最初の関門となる統一地方選挙で日本共産党の前進・躍進をかちとることを党活動の前面にすえ、勝利にむけてやるべきことをやりぬく」ことが必要です。統一地方選まであと5カ月。文字通り間近に迫りました。統一地方選勝利のためには、やるべき独自の課題があります。その到達点をみるならば、率直にいってこれからというものが多いわけです。予定候補者を全て決めきるということも、いま力を込めて突破しなければならない重大な課題であります。こういう理由から、いま統一地方選を前面にすえた活動への「チェンジ」が必要と判断しました。
同時に、第二に、報告では、「『参院選は統一地方選が終わってから』という段階論に絶対に陥ることなく、『比例を軸に』すえた参院選での躍進を一貫して追求する」ことを強調しました。また得票目標についても、「二重目標に陥らず、『850万票、15%以上』に見合う目標に一本化」することを重ねて強調しました。比例代表選挙は「軸」――すべての活動の中心であるということ、「段階論」に陥らないこと、「得票目標を一本化する」ことは、いささかも変わりはありません。
実は一昨日の幹部会の討論で、「そうはいっても段階論に陥ってしまうことが心配だ。どうしたらいいか」という率直な意見も出されました。
こうした心配に対しては、「段階論」に陥らず、「比例が軸」にすわっているかどうかは、ただ言葉のうえで「比例を軸」ということを繰り返すだけではなく、実際の活動で試されるということを強調したいと思います。たとえば――、
――すべての支部・グループ、党機関で、得票目標を「850万票、15%以上」で一本化し、それを達成することをあらゆる党活動の軸にすえ、日常的・意識的な追求がなされているか。
――宣伝、対話・支持拡大、「集い」などの活動の中身が、日本共産党の綱領・歴史・理念などを丸ごと知っていただき、積極的支持者――「日本共産党だから支持する」という支持者を増やす活動になっているか。
――参議院選挙を「前回時比3割増以上」の党勢でたたかうという目標を、本気の目標にすえて、正面から挑戦しているか。
――選挙活動が、狭く統一地方選挙をたたかう党組織を中心とした活動でなく――統一地方選挙をたたかう党組織は全体の半分程度だと思います――、すべての党組織の活動になっているか。
つねにこれらの点で、自らの活動の自己点検を行おうではありませんか。統一地方選挙を「前面」にすえつつ、「比例を軸に」した参院選躍進をめざす活動を一貫して追求し、二つの全国選挙での連続勝利を必ずかちとろうではありませんか。

統一地方選挙での論戦――「自民・公明対日本共産党」を対決構図の基本にすえる

次に連続選挙をたたかう政治的訴えについてのべます。
統一地方選挙でどういう論戦をやるか。
幹部会報告では、「統一地方選挙では、『自民・公明対日本共産党』を対決構図の基本にすえ、日本共産党地方議員(団)の政策・実績・役割を押し出すことを、政治論戦の基調にして大いにたたかいます」とのべました。討論では、こうした訴えの重要性について、いろいろな角度から深められました。
なぜ「自民・公明対日本共産党」という対決構図を押し出すか。
地方政治では多くの自治体でわが党をのぞく「オール与党」となっています。同時に、国政では、わが党は、自治体では「オール与党」のなかにある国政野党とも共闘を追求しています。そういう状況のなかで、自公と同列において国政野党を批判したら、共闘を真剣に追求するわが党の立場が誤解されることにもなりかねません。
有権者は、統一地方選挙で、地方政治だけでなく、国政を含めて政党選択を行うでしょう。わが党の訴えも、国政での安倍・自公政権批判と一体に、自治体のあり方を転換しよう、そのために日本共産党を伸ばしてほしいというものになると思います。この点からも自民・公明と国政野党とを同列において批判するのは適切ではないと思います。国政でも、地方政治でも、自公とその補完勢力に批判を集中し、日本共産党の値打ちを押し出すことを基本にたたかうことが、すっきりした、説得力のある訴えになると思います。またそういう訴えは、直後にたたかわれる参院選での訴えにも無理なく発展させていくことができると思います。
ただし、「オール与党」の実態について、情報提供のような適切な形で、有権者に伝えることは必要なことであります。それから、選挙戦が激烈になってきますと、わが党に対する攻撃がやられるということも起こり得る。そういう場合には、節度をもって反論することは当然のことであります。
この点では、昨年の都議選の教訓を生かしていただきたいと思います。わが党は、都議選の対決構図をズバリ「自公対日本共産党」と押し出し、党の値打ちを語り、都議選で共産党を躍進させることは国政での市民と野党の共闘の前進の力になるということも訴えました。幅広い市民団体のみなさんの支援もえて、躍進をかちとりました。この論戦上の教訓を統一地方選挙に生かすことが大切であります。

市民と野党の共闘――日本共産党躍進への流れをつくることが共闘の力に

次に市民と野党の共闘についてのべます。
幹部会報告では、1人区の共闘について、政党間で真剣な協議を行うことを呼びかけました。討論では、地方段階での共闘にむけた話し合いがさまざまな形で行われていることが報告されました。地方段階での話し合いは積極的にやってほしいと思います。
ただ、候補者を決めるには、あくまでも中央段階での政党間の協議が必要です。そうでなければ相互推薦・相互支援の共闘はできません。みなさんにお願いしたいのは、中央段階でそういう協議を大いに進めてほしいという声を、全国から各野党に寄せていただきたいということであります。
そして、今何よりも大切なのは、日本共産党自身が、比例でも、選挙区でも、元気いっぱい打って出て、躍進への流れをつくっていくことです。そのことが共闘を進めるうえでも一番の力になってくるということを強調したいと思います。

選挙戦のなかでの党勢拡大――「特別月間」でつかんだ発展の「芽」を生かして

次に選挙戦のなかでの党勢拡大についてのべます。
討論では「特別月間」の取り組みによって、今後につながる多くの「芽」、多くの「財産」をつくったということが、たいへん豊かに語られました。
福岡・内田書記長は、「特別月間」の最終盤に行われた鞍手町議補欠選挙で定数2の壁を突破して勝利をかちとったこと、突然の選挙で勝利した根本に、前回の選挙時比120%に党員を増やして選挙をたたかったことがあることを報告しました。そして、これは鞍手町だけでなく、直鞍(ちょくあん)地区委員会全体で、前回参院選時比121%に党員を増やしていることを報告しました。直鞍地区委員長は、「『130%の陣地でたたかえば勝利できる』という中央委員会の提起は本当にその通りだ」と語っていることも報告されました。この経験は、「3割増」の重要性、可能性を示したものとして、たいへんに重要であります。
長野・鮎沢委員長は、上小・更埴地区の経験を語りました。日刊紙で前回時を回復し、「月間」で32人の入党者を迎え、今月11人を迎え、目標達成にあと2人まで来たとのことでした。「変化したのは地区委員会のチームワークが発揮されているからです。地区委員長は地方議員ですが、前地区委員長が副委員長として専従として残り、専従の体制も厚くなりました。毎日のように日刊紙ルートでドラマを書いたニュースを発行し、7割の党員にニュースが届いています。機関が支部に足を運ぶ中での変化です」との報告でした。地区委員会の活動強化が変化をつくったという点で、たいへん教訓に富んだものでした。
東京の関口青年学生部長は、都委員会がイニシアチブをとって、青年学生党員と民青同盟員拡大の「特別期間」に取り組み、全都学生対策会議という地区委員長にも参加してもらう新しい機構を立ち上げ、交流と知恵だしを中心に毎月会議を系統的に開催してきている経験を語りました。地区委員長からは、学生にどう接していいか参考になる、いろいろな刺激を受けるなど歓迎されているとのことでした。そして、地区委員長が民青の学習会の講師をやる、進路をはじめ学生党員、同盟員の相談にのるなど、学生分野の前進に責任をもつようになっているとのことでした。こういう努力のなかで、大学単位の民青班、党支部がつぎつぎに結成されているとの報告でした。東京のこの経験、教訓は、ぜひとも全国に広げたいと考えるものです。
なお、民青同盟は、11月下旬に大会を開きます。民青同盟は倍加という目標を決めて、意気高い取り組みを開始しています。民青同盟の小山委員長も大会成功への決意を語りましたが、どうか各都道府県の民青同盟の組織が、自ら決めた目標をやり切って大会を迎えられるよう、親身な援助を行っていただくことを訴えるものです。
この総会で報告された「特別月間」の教訓は、非常に豊かなものでした。結語でその全体を再現することはできません。中央として、「しんぶん赤旗」に教訓を生きた形でまとめて紹介し、全党の財産にするようにしたいと思います。
この4カ月、全党が努力を重ねた「特別月間」を通じて、全党に素晴らしい発展の「芽」が生まれています。これらを今後に必ず生かし、「3割増」に本気で挑戦し、党勢拡大の高揚のなかで連続選挙の勝利を必ずつかもうではありませんか。

5中総決定を一刻も早く全支部、全党員のものに

決定されるであろう5中総決定の全党員への徹底についてのべます。
情勢の潮目の歴史的変化が起こるもとで、党の躍進への方針を示したこの決定を一刻も早く全党のものにすることを強く訴えます。
指導的同志――都道府県・地区役員のみなさん、支部長・支部委員のみなさん、地方議員のみなさんは、2週間以内に5中総決定を読み、その中身を大いに語る先頭に立ちましょう。決定を全党員に届け、全党員が読了するためにあらゆる手だてをとりましょう。そして1カ月以内には、すべての支部で討議・具体化しようではありませんか。

首相が改憲・増税宣言――激しいたたかいが本格的にはじまる

最後に、今日、二つのニュースが入ってきました。
安倍首相は、今日、14日、行われた陸上自衛隊の観閲式で、自衛隊を憲法に書き込む改憲への決意を表明しました。常軌を逸した異常な暴走が止まりません。
それから明日(15日)、首相が、消費税率を2019年10月から予定通り10%に引き上げる方針を表明することが明らかになったと報道されています。
幹部会報告では、改憲と増税を許さないという断固たる決意を表明しましたが、まさに5中総で明らかにした問題が国政の大争点となって、激しいたたかいが本格的に始まってきます。
改憲も増税も絶対に許さない。国民運動の力、共闘の力、そして日本共産党の躍進によって、破たんした安倍政治を終わらせ、希望ある新しい政治をつくる決意をかためあって、結語とします。

 

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