紀の川まつりの思い出

紀の川まつりの思い出

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 45年ほど前の紀の川まつりのある夜。中学生のM君は、紀の川祭りが楽しみで、お小遣いのお金500円を手に握って、兄弟や従兄弟と河原を歩きました。お化け屋敷に入ったり、たこ焼きやイカを食べたり、金魚すくいもしました。押しよせてくる人波をまともに身体で受けながら、最後には花火を見て「また来年も来よう」と1年後を楽しみにしていました。
 家に帰ろうと、南海バスに乗って帰宅途中、乗車口でいるとさらに別のバス停からお客さんが乗車。すると、車掌さんがお客さんの人混みに耐えられず奥に押し込められて、降り口から遠ざかってしまったのです。
 車掌さんは、「次は○○」と言ったものの、運転手さんに合図のブザーを押せない。すると車掌さんは「君、ブザーを押しほしいよ」と声をかけ、M君はブザーを押しました。
 乗客が少なくなり、車掌さんが元の位置に戻って、M君が下りようとお金を入れようとしたとき、「お金はもういいよ」と小声で話しかけてきました。M君はびっくり。
 この頃はこういう「おまけ」のある時代でした。このほんわかとした思い出は、今も記憶に残っています。
 思いやりのある時代。せわしくもなく、ほのぼのとした時代でした。

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