「地方交付税の拡充を強く求める」「消費税増税はきっぱりと断念を」―日本共産党議員の国会質問

「地方交付税の拡充を強く求める」「消費税増税はきっぱりと断念を」―日本共産党議員の国会質問

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日本共産党の山下芳生、大門実紀史両参議院議員が参議院本会議で行った質問の要旨が、本日(11月13日)付「しんぶん赤旗」に掲載されました。

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消費税増税延期のための地方税法

地方交付税法の改定案

参院本会議 山下議員の質問

地方自治体が「住民の福祉の増進を図る」という本来の役割をはたすためには、地方税や地方交付税など必要な財源が保障されなければなりません。ところが、地方の財源不足が21年間も続いています。この間の自民党政治が地方財政を悪化させる要因となったことを指摘しなければなりません。

ひとつは、バブル経済の崩壊後、政府が景気対策として地方自治体に単独で公共事業を増やすよう主導・誘導したことです。もうひとつは、消費税の増税が、景気を冷え込ませ、地方財政にも大きな打撃となったことです。

さらに、小泉政権の「三位一体改革」によって、国から地方への税源移譲をはるかに上回る国庫補助負担金と地方交付税の削減が行われ、地方自治体の財政危機を一層深刻にしたことも重大です。

消費税増税が景気悪化と格差拡大を招き、地方財政をも悪化させた事実を直視するなら、増税は延期でなく、きっぱり断念すべきです。

歴代政権がもたらした自治体財政の悪化、「自治体リストラ」の強要は結局、住民へのしわ寄せとなって現れました。

たとえば保育の問題です。「三位一体改革」による地方交付税の削減は、自治体の保育予算縮減に直結し、公立保育園の削減と保育士の非正規化が加速しました。

さらに、安倍政権によって地方自治体に新たな負担が押しつけられていることは看過できません。

介護保険制度の見直しにより、「要支援1、2」の訪問介護、通所介護が保険給付から外され、市町村の事業に移管されることとなり、多くの自治体が困難に直面し、「要支援」向けのサービスが提供できない心配が生まれています。自治体への財源なき事業押し付けはやめるべきです。

安倍政権が今年度から地方交付税制度に導入した「トップランナー方式」も大きな問題です。

「トップランナー方式」は、民間委託や民営化などでコストカットを進めた自治体の低い経費を基準に地方交付税が算定されるもので、地方交付税の削減につながります。

日本共産党は、大企業や富裕層に対する優遇税制を是正し、能力に応じて負担する公平・公正な税制への改革で国・地方の財源を確保すること、地方自治体が「住民福祉の増進」という本来の役割をはたせるよう、地方交付税を拡充することを強く求めます。

(2016年11月13日「しんぶん赤旗」)

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消費税増税延期法案

参院本会議 大門議員の質問

日本経済が停滞から抜け出せない最大の理由は、経済を6割をしめる個人消費の低迷が続いていることです。

消費低迷の第1の要因は、賃金、所得の低下です。賃金の低下は一時的な現象ではなく、非正規雇用の拡大によってつくられた「低賃金構造」に根本的な原因があります。

実収入から直接税や釈迦保険料などを除いた可処分所得(実質)も、安倍政権発足前と比べて減少しています。年金、介護、医療などの保険料が引き上げられてきたことや、消費税増税や「異次元金融緩和」の円安誘導による物価上昇も実質可処分所得を減少させました。まさに安倍内閣の経済政策、アベノミクスそのものが国民の可処分所得を減少させ、消費を冷え込ませてきたと言わねばなりません。いまこそ、手厚い中小企業支援とセットにした最低賃金の大幅引き上げ年金改悪のストップなど、具体的に国民の賃金、所得をあげる政策に踏み出すべきです。

消費を低迷させている第2の要因は、国民の将来不安の増大です。社会保障制度への不安が消費者意識に重くのしかかり、消費を冷え込ませる要因になっています。社会保障の連続改悪をやめ、むしろ充実することで国民の将来不安を取り除き、景気を回復させ税収も増やすというプラスの好循環に方向転換する必要があります。

消費を冷え込ませた第3の要因は、消費税の増税です。2014年4月の消費税率の8%への引き上げ後、個人消費は2年連続でマイナスとなりました。

安倍政権は消費税率10%への引き上げを延期することにしましたが、それ以降も消費は伸びていません。「増税予定」そのものが経済を停滞させています。消費税増税は延期ではなく、きっぱり断念、撤回すべきです。

だいたい、消費税は国民にとって一利もない税金です。

第1に、こんなに増税するたびに景気を悪くする税金は見たことがありません。

第2に、所得の低い人に手厚くする社会保障の財源を所得の低い人に重い消費税でまかなうこと自体、自己矛盾であり所得の再分配に反します。

第3に、社会保障のための消費税という話そのものがデタラメです。

税金は苦しい庶民から取るのではなく、もうかっている大企業や大金持ちから取るべきです。消費税頼みの考え方をあらため、応能負担の原則で税制を抜本的に見直すべきです。

(2016年11月13日「しんぶん赤旗」)

 

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